simaS.htm

　城ヶ島には神奈川県水産技術研究所があります。施主はその研究所の職員ですが、この島で育った方でもあります。
島の中程に民家が集中している地域があり南側は小高い山になっています。その山際が計画敷地となります。敷地は
うなぎの寝床のように南西・北東方向に長く、隣家が両隣とも迫っていて、以前建っていた住居の内部は日中でも照明
が必要な行灯部屋状態でした。かつ南側の山が日照に関わる敷地環境でありました。
　このような敷地状況の中でメインテーマは採光･通風を如何に取り入れかという事になりました。そこで建物の中央部
に吹抜空間を設け、その上部の四方にトップサイドライトを取り、室内全体の通風、採光を確保する案を発想しました。
一階はその吹抜がある居間を中心に道路側に祖母室、山側に和室、正面に階段、北側に台所・ユウテｲリテｲ・浴室と
なっています。又階段もこの居間にあり、２階に上がって吹抜を囲むように廊下を巡らしてあります。その廊下の廻りに
各個室がある訳です。吹抜が５人の家族の空間的、動線的な中心であり、光と風の通り道となっています。

Southwest-Northeast SECTION